最適なキーの見つけ方とは?合わない高さを変更して気持ち良く歌えるキーを調べる方法

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自分に最適なキーが分からなくて困っていませんか?
ボクはこれまでに1000人以上の声や歌とボーカルコーチングのセッションを通して向き合って来ました。
その中でも、自分に最適なキーが分からなくて困っている方は、実はとっても多いのです。
そこでこの記事では、気持ちよく歌えるキーの見つけ方をいくつかご紹介していきます。
ですが、対処法をお伝えする前に、まず知っておいて欲しいコトがいくつかあります。
原曲キーにこだわるコトなく自分に最適なキーを探しましょう
自分にあったキーを探す時に陥りやすいのは、原曲キーを強く意識してしまうコトです。
「できれば原曲キーで歌いたい」という気持ちが強くある場合は、キーを変えたとしても原曲キーから1つ2つぐらいしか変更できなかったりします。
ですが、自分に最適なキーを探すためには、原曲キーにこだわる必要はありません。
原曲キーへのこだわりよりも自分の中にある感覚を大切にして、気持ちよく歌えるキーを探してみましょう。
キーを下げれば必ず歌いやすくなるワケではありません
特定のキーで歌ってみてそれが苦しい場合や高い声が出せない場合、多くの方はまずキーを下げるコトを試みます。
もちろん、この方法で楽に気持ちよく歌えるのであれば何も問題はありません。
ですが、この方法は100%有効ではないので、逆に歌いにくくなる場合もあります。
なぜなら、キーを下げるコトではなく、逆に上げるコトで自分に最適なキーが見つかる場合もあるからです。
下げた場合と上げた場合の両方で最適なキーが見つかる理由とは?
では、どうしてキーを上げた場合と下げた場合の両方で最適なキーが見つかるのでしょうか?
その理由は、特定のキーで歌った時に歌いにくい原因が以下の3つのパターンに分かれるからです。
- キーが高すぎる
- キーが低すぎる
- 音域以外の要素
このように分かれるので、キーが高すぎる場合はキーを下げると歌いやすくなり、キーが低すぎる場合はキーを上げると歌いやすくなります。
そして「音域以外の要素」という特殊なケースもあるので、歌いにくいキーの場合はこれらが複雑に絡み合っています。
この「音域以外の要素」について以下に詳しく解説して行きます。
特定のキーで歌いにくい場合の音域以外の要素とは?
先にも述べましたが、特定のキーで歌いにくい原因は音域だけではありません。
実は、音域以外の要素が複雑に絡んで、特定のキーで歌いにくい状態を作っている場合も多いのです。
なので、自分に最適なキーを探すためには、この音域以外の要素を知るコトが重要になってきます。
そこで、以下に音域以外の要素について詳しく解説して行きます。
人の声には誰しもある特定の「歌いにくい箇所」があります
高い音でもなく低い音でもないのに、ある特定の音や箇所が歌いにくいと感じた経験はありませんか?
実はどんな人の声にも、その人の音域の中には必ず「歌いにくい箇所」というモノが存在します。
低い音域から高い音域へと以降して行く際に、声が不安定になったり切り替わったような部分にぶつかります。
これらの歌いにくいエリアのコトを英語やイタリア語で「パッサージョ」「ブリッジ」「トランジション」「ブレイク」と呼びます。
パッサージョ・ブリッジ・トランジション・ブレイクは苦手で歌いにくい部分です
これらの「パッサージョ」「ブリッジ」「トランジション」「ブレイク」は、どんな人にとっても苦手で「歌いにくい箇所」です。
1箇所や2箇所ぐらいが曲中に出てくるぐらいなら、練習やテクニックでなんとかカバーできます。
ですが、これらが曲中に連続で出現してくる場合は、その曲はどんなに練習をしても苦しくて歌いにくいです。
ですので、ある特定のキーの中にこれらの「歌いにくい箇所」が頻出してしまうと、苦しくて歌いにくい状況が生まれてしまうのです。
「歌いにくい箇所」を減らすにはキーを上げたり下げたりして模索する必要がある
これらの「歌いにくい箇所」というのは、人によって細かく異なってきます。
また、歌う楽曲のどの部分が歌いにくいかというコトも、それぞれの楽曲によっても違うし、キーによっても変わってきます。
ですので、これらの「歌いにくい箇所」はキーを上げたとしても下げたとしても、両方の場合で減るコトも増えるコトもあります。
つまり「歌いにくい箇所」を減らすには、キーを上げたり下げたりして模索しながら「歌いにくい箇所」が少ないキーを探すしか方法がありません。
キーの上げ下げは一方向に最大で12段階しかできません
実はキーの上げ下げをする場合、一方向に最大で12段階までしか変更ができません。
もしある特定のキーから12段階上げた場合は、その特定のキーに戻ってきてしまうのです。
そしてこの特性に関しては、実はキーを下げた場合も全く同じなのです。
つまり、丸く円を描くように12個のキーが連結して存在しているというコトです。
自分に最適なキーを探す時は±6の範囲で探すと見つけやすいです
ですので、自分に最適なキーを探す時は、一方向にひたすらキーを動かし続けるコトはナンセンスです。
それよりも、±6の範囲でキーを動かして最適なキーを探す方が合理的です。
なぜなら、キーを6つ上げても6つ下げても結果として同じキーになるからです。
そして、このアプローチを用いるコトで12キー全てをよりシンプルに試みるコトが可能です。
カラオケの場合は原曲キーから±6の範囲で上げ下げするとやりやすいです
カラオケでキーを変える時に、上げすぎたり下げすぎてカラオケ伴奏の音が変になったコトはありませんか?
実はカラオケ伴奏は、原曲キーから離れれば離れるほど、伴奏の雰囲気が崩壊する傾向にあるのです。
ですので、一方向にキーを上げ下げし続けると、伴奏の雰囲気が壊れてしまって思ったように歌うコトができなかったりします。
この症状を防ぐためには、原曲キーから±6の範囲でキーを上げ下げしながら、自分に合った適切なキーを模索するコトをオススメします。
ギターやピアノ伴奏で歌う場合は伴奏者の客観的な意見をもらいましょう
もしもギターやピアノ伴奏で歌を歌う場合に自分に適切なキーの判断で迷っているとしたら、是非とも伴奏者の客観的な意見をもらってみてください。
ギターやピアノを演奏する人は、歌い手にはない音楽的な耳と鋭い視点をもっている場合が多いです。
そしてそれらが、歌い手が自分に最適なキーを探す際の思わぬ手助けとなる場合がとても多いのです。
ですので、ギターやピアノの伴奏者がいる場合は、自分一人の力に頼らずに、是非とも相談してみるコトをオススメします。
「高い音や低い音が出せる」=「最適なキー」とは限りません
自分にとっての最適なキーを探す方法として「高い音」や「低い音」に合わせるという手法があります。
自分の出せる最高音と最低音と楽曲の中最高音と最低音とを合わせてキーを選ぶというやり方です。
もちろんこれも効果的な方法の1つなのですが、実は必ずしも「高い音や低い音が出せる」=「最適なキー」ではないのです。
その理由について以下に詳しくまとめて行きます。
高い音や低い音が出ても「歌いにくい箇所」が多い場合は最適なキーではない
先にも述べたように、「パッサージョ」「ブリッジ」「トランジション」「ブレイク」などの「歌いにくい箇所」が少ないほど最適なキーとなります。
ですので、たとえ高い音や低い音に合わせてそれらが出るとしても「歌いにくい箇所」が多ければそれは最適なキーではないコトになります。
想像してみると分かりやすいのですが、高い声や低い声だけがキレイに出ても、それ以外の大部分が不安定であれば、それはやはり苦しくて歌いにくいモノです。
ですので、たとえ高い声や低い声が出なくても「歌いにくい箇所」が少ない最適なキーを選んだ方が良いのです。
「歌いにくい箇所」が少ない最適なキーを選んで高音や低音の練習をすれば良い
もしも「歌いにくい箇所」が少ない最適なキーを選んだ上で高い声や低い声が出ないとしたら、それぞれの音域を伸ばす練習をすれば良いです。
なぜなら、「歌いにくい箇所」が少ない最適なキーを選んでいる場合、高音と低音の両方において音域が比較的伸ばしやすいからです。
「歌いにくい箇所」が少ない最適なキーの場合、無駄なエネルギーや息を消費するコトが少ないので、結果として高音や低音が出しやすくなるのです。
ですので、以下に高音と低音について、それぞれの効果的な練習法についてまとめて行きます。
高い声は無理せず頑張らずにラクに出すコトがとても大切です
高い声の音域を伸ばそうと考えた時に、一般的には無理して頑張るコトを推奨している場合が多いです。
ですが、ボクが本場アメリカのボイストレーニングで体験したアプローチは、それとは全く逆で無理せずラクに出す方法でした。
腹式呼吸の意識や腹筋に力を入れる等は必要なく、とっても自然でラクな状態で高い声を出すことが大切なのです。
以下の記事に高い声の正しい出し方について詳しく書いてあるので参考にしてください。
低い声はリラックスして身体を良く響かせて共鳴させるコトが大切です
低い声に関しては、高い声よりも音域を伸ばすことが難しいのが特徴です。
なぜなら、低い声は物理的に持って生まれた限界までしか音域を伸ばすコトができないからです。
ですので、無理せずに身体をリラックスさせて共鳴させるコトで低音を豊かにして行くコトが大切です。
以下の記事に低音の音域を広げる方法について詳しく書いてあるので参考にしてみてください。
まとめ
自分にとっての最適なキーを模索するコトは、歌を志す人にとっては1つの大きな課題です。
なぜなら、たとえ同じ楽曲を歌うとしても、キーの設定1つで天と地の違いぐらいパフォーマンスが変わってくるからです。
ですので、この記事をよく読んで内容を把握した上で自分に最適なキーを模索してください。
自分にとって最適なキーで歌えるようになると、歌をもっと気持ちよく楽しんで歌えるようになります。