ビブラートの種類とかけ方のコツとは?喉と横隔膜や腹式呼吸を意識してもできない理由

Contents
ビブラートができなくて困っていませんか?
ボクはこれまでに1000人以上の声や歌とボーカルコーチングのセッションを通して向き合って来ました。
その中でも、ビブラートができなくて困っている方は、実はとっても多いのです。
そこでこの記事では、ビブラートのかけ方のコツをいくつかご紹介していきます。
ですが、ビブラートをかける為のトレーニングをする前に、まず知っておいて欲しいコトがいくつかあります。
そもそもビブラートを無理してかける必要はありません
多くの方が「ビブラート=歌の上手さ」と信じているので、ビブラートを頑張ったり努力してかけるコトに必死になる場合が多いです。
ですが、そもそものコトなのですが、ビブラートを無理してかける必要はありません。
以下に「ビブラートが絶対に必要」だと勘違いしてしまう原因をいくつかあげてみました。
- カラオケの得点システムでビブラートをかけると加点された
- 歌の先生やボイストレーナーに「ビブラート」が出来てないと指摘された
- 歌が上手な人のビブラートに憧れている
このようなコトが原因で、多くの方が「ビブラートが絶対に必要」と信じ込んでしまいます。
ですが、これらの原因について良く考察するコトで「ビブラートが絶対に必要」という勘違いに気づくコトが出来ます。
では、以下にそれぞれについて詳しく解説していきます。
カラオケの精密採点は機械が採点するので本当の歌の上手さは測れません
カラオケの採点システムでは以下の場合に加点されます。
- 音程やリズムを正確に歌った場合
- しゃくりやフォール、こぶし等のテクニックを使った場合
- ビブラートをかけた場合
ですが、加点をするのはあくまでコンピューターで組み込まれた採点システムです。
機械が採点するモノで本当の歌の上手さは測るコトができないので、この3つのポイントを頑張れば歌が上手く聞こえるワケではありません。
ですので、ビブラートを無理してかける必要は全くないというコトに繋がります。
歌の先生やボイストレーナーは、生徒に問題を作るコトで得をします
ビブラートに関するコトだけでなく、歌の先生やボイストレーナーは以下のコトを生徒さんに指摘するコトが多いです。
- 腹式呼吸ができていない
- 腹筋やお腹の支えができていない
- ビブラートができていない
歌の先生やボイストレーナーは、このように生徒さんに「できていないコト」を伝えるコトが多いです。
なぜなら、「できていないコト」を伝えるコトで生徒さんに問題意識を持たせて次のレッスンへと繋ぐコトができるからです。
つまり「ビブラートができていない」と伝えるコトで、次のレッスン料金を手に入れるコトへの橋架けをしているワケです。
ですので、「ビブラートができていない」と指摘されても無理してやろうとしなくて大丈夫です。
もしアナタの歌の先生やボイストレーナーがこのように問題を作る人ならば、以下の記事を参考にしてもっと自分にあった先生を探してみると良いかもしれません。
歌が上手な人は自分らしい歌い方を追求した結果ビブラートを自然にかけられる
歌が上手な人のビブラートに憧れるコトは、歌を志す人ならば誰もが1度は経験するコトです。
ですが、無理してビブラートをかけたところで、憧れの歌い手のように上手にビブラートをかけて歌えるワケではありません。
むしろ、無理してビブラートをかけると、どうしても不自然になってしまうので逆効果な場合が多いです。
歌が上手な人に共通するコトは、無理してビブラートをかけようとするコトではなく自分らしい歌い方を追求したというコトです。
ですので、憧れの歌い手のような自然なビブラートを目指すならば、自分らしい歌い方を追求するコトが先に必要になります。
では、自然なビブラートのための自分らしい歌い方を追求する方法を以下にお伝えしていきます。
自然なビブラートのために自分らしい歌い方を追求する方法とは?
自然なビブラートを習得するためには、自分らしい歌い方を追求するコトがとても大切です。
そこで、ボクが本場アメリカでの7年間の経験と1000人以上のボーカルコーチングを通して得た「自分らしい歌い方を追求する方法」を以下にまとめて行きます。
美しく自然なビブラートを手に入れるために必要ですので是非とも参考にしてみてください。
自分らしく歌うためには腹式呼吸や横隔膜への意識や腹筋の力を手放すコトが必要です
ボイトレや歌のレッスンというと、多くの方が「腹筋」や「腹式呼吸」を連想するでしょう。
そのぐらい歌うコトには「腹筋」や「腹式呼吸」が大切だというイメージが日本では浸透しています。
ですが、本場アメリカのボイストレーニングでは「腹筋」や「腹式呼吸」を重視しません。
なぜなら「腹筋」や「腹式呼吸」を頑張るコトは自分らしく歌うコトから遠ざけてしまう原因となるからです。
以下の記事で「腹筋」や「腹式呼吸」について詳しくまとめてあるので参考にしてください。
自分の声の音域や最適なキーを知るコトで自分らしく歌うコトが加速します
何かの楽器を習い始める場合、まずその楽器の音域や適切なキーを学ぶコトからレッスンが始まるケースが多いです。
これと同じように、歌の練習をスタートする場合も、自分の声の音域や適切なキーを知るコトはもっとも大切なコトの1つなのです。
特に「自分らしく歌うコト」を目標とするならば、自分の声の音域や最適なキーを自分自身が把握するコトが必要不可欠な要素です。
以下の記事にて音域について詳しくまとめてあるので、是非とも参考にしてみてください。
自分らしく歌うために適切な練習のやり方やペース配分を確立しましょう
歌のレッスンやボイストレーニングを受ける方に多いのが、レッスンやセッションを受けることが苦痛になるケースです。
これらは、先生が指導する練習のやり方やペース配分が自分にあまりあっていない場合に起こります。
もしもこのような症状に見舞われたなら、一旦レッスンを中断して自分らしく歌ったり練習したりする時間を取った方が良いです。
たとえどんなに素晴らしい先生のレッスンも、自分にあってなければ効果はやはり出にくいモノです。
ですので、そんな場合には以下の記事を読んで自分のペースで練習をする参考にしてみてください。
自分らしく歌うコトで自然にビブラートが身について行きます
自然なビブラートを習得するためには、これまでに紹介したアプローチを用いて自分らしく歌うコトがとっても大切です。
無理して頑張って身につけたビブラートよりも、自分らしく歌うコトで手に入れた自然なビブラートの方が自分もリスナーもやはり心地よいモノです。
ですので、手っ取り早くビブラートをかけたいという願望を一旦横に置いて、自分らしく歌う為のステップを確実に進めて行くコトがとっても大切です。
さて、ひとたび自然なビブラートが身についたなら、次のステップに進んで行きましょう。
ビブラートの種類やかけ方と練習のアプローチの比較とまとめ
さて、ここからは具体的なビブラートの種類やかけ方と練習のアプローチについて解説して行きます。
まず初めに知っていただきたいのですが、ビブラートには大きく分けて2つの種類があります。
- 自然なビブラート
- テクニックとしてのビブラート
「自然なビブラート」については先に述べましたが、自分らしく歌うコトを追求していくコトで自然とかけられるようになります。
なぜ「自然なビブラート」は自分らしく歌えば自然とかけられるようになるのか?
音の源(みなもと)のコトを英語で「Sound Wave・サウンドウェーブ」と呼び、「Sound」が「音」で「Wave」が「波」を意味しています。
この言葉から分かるように、音というモノは「常に波打って揺れている」という性質を持っています。
揺らそうと思って揺らさなくても、音はそもそもが最初から揺れや揺らぎを持っているというコトです。
ですので歌を歌った時に、歌声の中にある「Sound Wave」が増幅されて自然と声が揺れてビブラートが生み出されます。
このように「自然なビブラート」は無理して頑張って作られるモノではないので、自分らしく歌うというコトがその唯一の出し方として考えられるのです。
「テクニックとしてのビブラート」は大きく3つの種類に分けられる
「自然なビブラート」と相反するモノとしてあげられるのが「テクニックとしてのビブラート」です。
そしてこの「テクニックとしてのビブラート」は大きく3つの種類に分けられます。
- 喉を揺らすビブラート
- 口や顎を揺らすビブラート
- 音程を揺らすビブラート
以下にそれぞれのビブラートのかけ方や練習のアプローチについて解説して行きます。
「喉・咽頭・喉仏」を揺らすビブラートのかけ方と練習のアプローチ
小さい頃に喉を手で揺らしながら「ワレワレハウチュウジンダ」と宇宙人の声真似をやった方は多いと思います。
「テクニックとしてのビブラート」の1つとしてあげられるのが、この「喉を揺らすビブラート」です。
実は、「喉・咽頭・喉仏」を揺らすコトで簡単に声が揺れてビブラートを作るコトができます。
ですが、これら喉の周囲はとってもデリケートで繊細ですので、手を使って無理やり動かすコトはオススメしません。
練習する場合は、鏡などを見て「喉・咽頭・喉仏」の動きを確認しながら、ゆっくりとリラックスして練習してください。
「口や顎」を揺らす・動かすビブラートのかけ方と練習のアプローチ
声を出しながら口の形を変えたり「アウアウ」と顎を動かすと音が揺れてビブラートがかかります。
これも「テクニックとしてのビブラート」の1つとしてあげられる「口・顎を動かすビブラート」で、多くの方が実際に用いているアプローチです。
「喉・咽頭・喉仏」とは異なり、特にデリケートや繊細な部分ではないのですが、あまり大きく口を動かし過ぎると美しいビブラートになりません。
ですので、練習をする場合はしっかりと声を聞きながら、美しい音の揺らぎを感じる範囲で口や顎を揺らしたり動かしてみてください。
音程を揺らすビブラートのかけ方と練習のアプローチ
声を出しながら音程を変えたり戻したりを繰り返すと音が揺れてビブラートがかかります。
この時の音程ですが、半音よりも狭い幅の音程を変えるコトがとっても大切です。
なぜなら、もし半音や1音ぐらいの音程を変えたり戻したりを繰り返した場合、それは「ビブラート」ではなく「トリル」や「トレモロ」といった別のテクニックになってしまうからです。
「ビブラート」はあくまで音が揺れている状態を指し、「トリル」や「トレモロ」とは全く異なる音の状態を刺します。
ですので、音程を揺らすビブラートの練習をする場合は、その際の音程をできるだけ狭い音程にして「トリル」や「トレモロ」にならないように心がけましょう。
ビブラートは沢山かければ良いっていうモノではありません
「自然なビブラート」に関してはかけすぎたりするコトはありません。
ですが「テクニックとしてのビブラート」を習得すると、人はついついビブラートをかけ過ぎる傾向になってしまいます。
ですが、ビブラートは沢山かければ良いというモノではなく、むしろかけ過ぎると逆効果になってしまう場合も多いです。
そこで、ビブラートをかけすぎない為のコツを以下にご紹介して行きます。
全ての音にビブラートをかけようとする必要はありません
多くの方がビブラートを習得すると、なぜか全ての音にかけようとしてしまいます。
ですがそれだと、せっかく身につけたビブラートのテクニックや音色が台無しになります。
なぜなら、ビブラートは時々かかるからこそ美しさや魅力を感じるモノだからです。
まるで「ラーメンの胡椒」や「お寿司のワサビ」のように、主張の強い脇役こそがビブラートの存在です。
ですので、かけ過ぎると元の味が台無しになってしまうので、程よくかけるように心がけましょう。
ビブラートは「オン・オフ」が決め手!そのメリハリを楽しむコトが大切
ビブラートのかけ過ぎを防ぐ方法としてオススメなのが「オン・オフ」を楽しむというアプローチです。
なぜなら「オン・オフ」を意識するだけでもメリハリがつくので、常時ビブラートがかかるコトを防ぐコトが可能になるからです。
また、意図してビブラートの「オン・オフ」をコントロールできるようになると、歌を通してとっても粒が細かくて繊細な表現が可能になります。
ですので、ビブラートのテクニックをマスターしたら、次は「オン・オフ」のバランスを取る練習をしましょう。
「ここぞ!」という時の必殺技としてビブラートをかけるぐらいが丁度良い
たとえ「オン・オフ」を意識しても、やはりビブラートをかけ過ぎてしまう場合があります。
このようなケースでは、ビブラートを「ここぞ!」という時の必殺技ぐらいに考えてみると良いです。
つまり、基本的にビブラートをかけずに真っ直ぐな音で歌って「ここぞ!」というベストポイントのみにビブラートをかける作戦です。
これが意識できれば、ビブラートをかけ過ぎるコトは滅多にないので、かけ過ぎて困ってる方は是非とも試してみてください。
ビブラートをかけるバランスは歌のセンスや感性が問われる重要ポイントです
歌に対するセンスがあって感性が磨かれている人は、ビブラートをかけるバランスが絶妙で素晴らしい場合が多いです。
一方で、歌に対するセンスがなく感性が研ぎ澄まされていない人は、ビブラートをかけ過ぎて歌を台無しにする傾向にあります。
つまり、ビブラートをかけるバランスには、歌のセンスや感性がそのままストレートに現れるというコトです。
ですので、自分が目指すアーティストや好きな歌手の歌を何度も聞いて、歌のセンスや感性をどんどん磨いて行きましょう。
そうするコトで自然と、ビブラートをかけるバランスが整って行くコトは間違いありません。
まとめ
いかがだったでしょうか?
ビブラートは無理してかける必要はなく、そして歌の上手さに絶対的に必要なモノではありません。
また、ビブラートには様々な種類やかけ方のアプローチもありますが、程よくほんのり隠し味としてかけるぐらいが丁度良いのです。
そして、ビブラートよりも大切なコトが歌には沢山あるというコトも事実です。
この記事を通して、ビブラートに対する概念や価値観が変わってもっと歌うことがラクになったり楽しくなってもらえたら嬉しいです。